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BBQコンロや七輪で、炭火を使った料理をするのは、美味しく、楽しいひと時です。
ですが、楽しいひと時にも最後に、ちゃんと『炭火の後始末』をしておかないといけません。

最近は、着火剤などを使用すれば炭の火付けが簡単に出来るようになったために、ホームパーティーや花見、海水浴などのレジャーイベントで、BBQをする人たちが増えてきました。
ですが、終わった後の『炭火の後始末』のやり方を知らない人が多く、ちゃんと処理をしなくて後で大惨事になるという事故が増えているように感じます。

2018年11月18日にも、前日に庭でコンロと木炭でBBQをした後に、道具を倉庫に入れ保管し、そこから火の元が出てしまい、倉庫と自宅を全焼。
そして、倉庫に近かった子ども部屋にいた2人の子どもさんが亡くなったという悲しい事故が起こってしまっています。とても胸が痛いニュースです。

コンロと木炭から発火とはまだ書いてありませんでしたが、BBQコンロや七輪などでも炭を使用したあとに、炭火の後始末をせずに倉庫などで保管した場合、火が起こり全てを失う恐れがあります。
そこで、今回は、今までのお庭で七輪記事でも書いていますが、もう少し詳しく『炭火の後始末』について書いていこうと思います。




■炭とは

炭とは木や石、竹などの有機物を300度以上で蒸し焼きにする事で、不完全燃焼させて出来上がる炭素を主成分とした可燃物です。
材料によって名前が違い、木なら木炭、石なら石炭、竹なら竹炭、ニュースなどでもよく聞く練炭は石炭や木炭を砕いて接着剤で固めた複合炭のことを指します。

他の炭もそうなんですが、炭は極端に燃えづらくて火をつけるのが大変なんですが、1度火がついてしまえば、少ない酸素でかかなり高い温度まで上がり消えづらく、しかも煙もあまり発生しないので、料理以外にもいろいろな用途に使われています。
ここでは、1番家庭で使われやすい木炭について書いていかせていただきます。


木炭
木炭は日本ではナラブナカシクヌギなどの木材を炭化した物が主に使われてきています。
また、輸入炭にはマングローブの木を炭にしたマングローブ炭なども存在します。

木炭を燃やした時に発生する温度は約800度〜1200度
昔は、木炭を使って料理だけじゃなく、たたら吹き(ジブリのもののけ姫で女達が踏んでたやつ)と言った製鉄製錬他に木炭自動車というものにも利用されていました。


炭火で焼くと美味しい理由
七輪やBBQコンロで調理をする場合、高温になった木炭から放たれる輻射熱・赤外線(200度〜300度くらい)で、一気に食材を焼くので、肉や魚の余分な脂を落とし、旨味をしっかり凝縮させて料理の美味さを飛躍的に上げてくれるわけです。

ついでに言うと、炭火で肉や魚を焼く場合、美味しく感じさせてくれる訳がもう1つあります。
木炭からの輻射熱・赤外線で脂が滴り落ちると炭火にかかり発生するです。

この煙に肉や魚が燻(いぶ)されるので、燻製のように、木炭のいい香りが肉や魚について美味くなるんです。
最近では、着火剤を使えば20分以上かかっていた木炭の火おこしも数分で出来るようになったので、簡単で美味しく料理が出来るBBQをする人が増えてきています。

後は、みんなでワイワイやれるというのも美味しさに相乗効果を与えてくれているのかもしれませんね。


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■引き起こる事故

炭火は1度燃えてしまえば、少ない酸素でも長時間高温で燃え続けるんですが、炭の表面の火が消えた後も炭の中で燻(くすぶ)って燃え続けていたりする事がとても多いんです。
なので、炭火を使った後、完全に中の燻っている火種まで消しておかないと再び燃え出してしまいます。

起こりやすい事故としては
使用後の炭をしかるべき処置をせずに、消えたからと袋に入れる

ゴミに捨てる

袋の中の酸素によって再び炭が発火

大火事
というような恐ろしい流れになります。

これが自宅なら自宅全焼。風向きが悪ければ周りの家にも被害
コンビニやゴミ収集場所ならコンビニやその周りに被害を起こしてしまい、森の近くなら森林火災になる恐れもあります。秋から冬の乾燥している時期なら森林大火災になってしまう場合も考えられます。

調べてみると年々BBQなどでの火災による事故は緩やかですが増加傾向で、20~40代の人に多くなってきています。
特に30代が多く、私も同世代として恥ずかしい限りです。

火や炭火を扱う事は、楽しく美味しいだけではなく、それほどのリスクを秘めているという事をしっかり理解した上で、使用してください。



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■炭火の後始末方法

事故を起こさない為にも炭火の後始末の方法を知っておかなければなりません。

バケツを使う
バケツに水をいれて、その中に使い終わった炭をいれて消火していきます。
この時に1つ注意点があるんですが、炭を水に浸けて火は消えても実は炭の中はまだ燻っている場合があります。

なので、水をいれたバケツの中でそのまま次の日まで浸けておくことが大事です。
炭は吸水性が強いので、長時間水に浸けておくことで、完全に中の火種も消えてくれます。


そのまま燃やしきる
七輪やBBQコンロの中に炭を置いたまま消えるまで放置します。
炭は燃え尽きて灰になればそれ以上は燃える心配はありません。

ですが、炭を燃やしきるには長時間置いておかないといけないので、燃やしきる場合は七輪・BBQコンロ周囲2mに燃えそうなものがないこと風が強くないことが条件です。
それ以外は、他の後始末方法をしてください。


火消し壺
自宅の場合は、上の2つのやり方でもいいんですが、外出先でする場合は、持ち帰りのことを考えると火消し壺を使うようにしてください。

これは、火がついた炭を壺の中に入れて密閉することで、炭が燃えるための酸素を無くして火を消すことができます。
完全に密閉され、燃えるための酸素もなくなるので、安全に消火することが可能なのです。

しかも、火消し壷を使うと消し炭は再利用が可能で、次に使う時にこの中から取り出して火を付ければ炭が灰になるまで何度でも使えるのでかなり便利な道具です。


絶対にやめて欲しいこと
倉庫に置く車に置く土に埋める
この3つは絶対にやめてください。

家でやる場合、終わった後に倉庫に置いて七輪やBBQコンロが朝露に濡れないようにしている人が多いですが、これ本当に危ないです。
炭火は赤外線や輻射熱などの上に向けていく熱が発生ので、炭火の火力が強かったりするとその熱で、倉庫の屋根や周辺の物を燃やして火事を起こしてしまいます。

外でのBBQの時に、持って帰らないといけないからと車の中に置く場合も気を付けてください。
車のように密閉された狭い空間だと、有毒な一酸化炭素が発生してしまうのでとても危ないです。

運転中に一酸化中毒になって意識を失って、そのまま大事故に繋がってしまいます。
絶対に、火消し壷を用意して持ち帰るようにしてください。

土に埋めるのは、環境に悪いのでやめてください。
炭は自然に土に還ってくれる物質ではありません。

しかも、炭自体は弱アルカリの性質を持ち、土壌改良材としても使われています。
ということはこれを埋めることによって周辺の動植物に影響を与えてしまう恐れもあるんです。

ご自分の自宅の庭なら好きなようにしてもらって私は構わないと思いますが、森や川、海などでやるのであれば、絶対に埋めないようにしてください。







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■まとめ

炭を使っての料理は美味しいですし、大勢で囲んでワイワイやれるので、とても楽しい時間になります。
ですが、炭火を使う事はとても危ないことだという事を知ってください。

1度の炭火の不始末は、あなたのすべてを失う事と周りの人や物、自然に大きな爪痕を残す事になりかねません
そうならないためにもしっかりとした知識を持ってちゃんとした準備と道具を揃える必要があります。

そうすることが、あなた自身を守り、あなたの大切な人を守り、周りや自然を守る事にもつながってくるのです。
なので、どうか七輪やBBQコンロで、炭を使っての料理をする場合は、上に書かせてもらった内容に気を付け、楽しさに流され過ぎずに節度を保ち、しっかり最後の炭火の後始末までするように、切に、切にお願い申し上げます。


最後まで、読んでいただきありがとうございました


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