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梅雨時期になってくると緑色のカエルの姿をよく見かけるようになってきます。
このカエルは誰もが知っているカエル『アマガエル』くんです。

手にちょこんと乗る小ささと鮮やかな緑色、愛らしい顔をしている可愛らしいアマガエル。
童話や歌なんかのモチーフにされていたり、おもちゃや置物などの小物にまでなってキャラクター化もされていたりする人気者です。

田舎だと、子ども時代に田んぼや用水路、川辺でアマガエルを探して遊んだことがある人も多いんじゃないかと思います。
見た目が小さくて可愛らしいので、手で捕まえたり触ったりしてしまうものですが、ちょっと待ってください(๑•̀ㅁ•́ฅ✧

アマガエルって可愛い見た目に反してポイズンな一面を持っているんですよ。
なので、小さい子どもが可愛いからと触っていたりすると気を付けてあげないといけません。

そこで、今回はアマガエルの持っている毒と触った時に気を付ける事について紹介していこうと思います。




■アマガエル

アマガエルは、アマガエル科のカエルで、特にニホンアマガエルの事を指します。
漢字で書くと日本雨蛙、学名だとHyla japonica

日本各地に分布しています。


形態と生態
体長は3~4㎝くらい。メスの方が大きく、通常オスは4㎝以下。
背中の体色は、黄緑、緑以外にも灰褐色など周囲の環境・温度・湿度・明るさなどに応じて変化させることが可能です。

四肢の指には吸盤が発達し、田んぼや水辺でよく見ますが、多くは森林の木の上や背の高い草花の上で生活をしています。
なので、水辺にいる時は繁殖期の春から夏にかけてで、この時期になると夜の水田や水辺からはたくさんのアマガエル達の鳴き声がこだましているのは田舎あるあるなんじゃないでしょうか(´∀`*)ウフフ

この鳴き声はオスだけで、オスは喉にある鳴き袋(鳴嚢)を使ってメスに自分の存在をアピールします。
普通のカエルは繁殖期の夜に鳴くんですが、ニホンアマガエルは皮膚が湿度に敏感なので、雨が降りそうな時や降っていると繁殖期でなくても昼間に鳴くのがちょっと面白い特徴です。


食べるエサ
アマガエルは肉食性で、小さなクモ昆虫を捕食します。
動いているものに反応するので、死んだものや動かないものには反応しません。

なので、アマガエルって米農家さんにとってはありがたい害虫ハンターだったりします。
繁殖期でもある春の田植え前には畦道(あぜみち)に潜む害虫を捕食し、田植え後には育った稲に上って空からやってくる害虫を捕食してくれます。

家の周りにいる場合は、自宅周辺の害虫駆除もしてくれるので、見つけても捕まえたり追い払ったりするのはやめておいてあげてくださいね。


天敵
・鳥類
・ヘビ類
・タガメやゲンゴロウなどの大型肉食水棲昆虫
・ナマズ、雷魚、鯉などの大型肉食魚類
・イタチやタヌキなどの哺乳類


アマガエルの天敵って結構たくさんいるんです。



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■アマガエルの毒

アマガエルを含むカエルやイモリなどの両生類は、湿っぽい場所を好み、体も常に湿っているのでウイルスや細菌、カビが繁殖しやすくなってしまいます。
そうならないために、体内では抗菌ペプチド抗菌性ヒストンと言った抗菌性のタンパク質を豊富に持っています。

アマガエルの場合だとヒストンH4という抗菌性タンパク質がこれに当たり、アマガエルを掴んだり触ったりするなどの刺激を与えると、ヒストンH4が体表面に分泌されて細胞や粘膜を溶かす毒液に変化してしまいます。
これはおもにウイルスや細菌、カビなどの体に侵入してこようとする微生物の細胞膜を溶かすために分泌されているので、カエル界の毒ホープ『ヤドクガエル』のような致死性の毒とは違って人体にはほぼ無害です。

ただ、人でもアマガエルを触った手で目や口、鼻などの粘膜、傷口を触ってしまった場合は、炎症を起こしてしまうので注意をしてください(๑•̀ㅁ•́ฅ✧
特に、触った手で目をこすったりすると失明してしまうという実例も報告されています。


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■子どもがアマガエルに触る時に気を付ける事

アマガエルを触るのは大人よりも子どもが触ることが多いはずです。
触って遊ぶくらいならアマガエルの毒は弱いので大丈夫なんですが、子どもって何をしでかすか分からないところありますよね(´▽`;) '`'` 

そこで、子どもが触るときに気を付けることを書き出しておこうと思います。


アマガエルを触った手で目や口、鼻を触らせない
これは先ほど毒について書いたときに触れた内容です。
子どもだと無意識に目をこすったり、鼻を触ってしまうので、気を付けて見てあげてください。


傷口がある時は触らせない
子どもはアマガエルを見ると触りたがりますが、傷口がある場合はノータッチで見るだけにしましょう。


触った後はよく手を洗う
アマガエルの毒は洗えば落ちるそうなんで洗ってください。
ウェットティッシュを持っているならそれでしっかり拭き落としましょう。


0~1歳児には触らせない
0~1歳児に見せるときは気を付けてください。
この歳の子どもは触ると同時に捕食する確率大です(; ・`д・´)

我が子に見せて触らせてあげたいという気持ちはわかりますが、見るだけで触らないように気を付けてあげてください。


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■他にも気を付けてほしい水辺の生き物

アマガエルは触るくらいなら毒もほぼ無害なので、気を付けてもらえればいいんですが、水辺で遊ぶ時には他にも気を付けてもらいたい生き物がいます。
そいつらについて少し紹介しておきましょう'`ィ (゚д゚)/

ヒキガエル

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By Yasunori Koide - 投稿者自身による作品, CC 表示-継承 3.0, Link

アマガエルよりも一回り大きくて7~16㎝。
敵に脅かされたり、攻撃されると耳腺と皮膚から乳白色の毒液を出します。

その毒の名前はブフォトキシンと言い、神経毒の一種で、皮膚につくと炎症を起こさせます。
誤って口に入ってしまうと幻覚・嘔吐・下痢・心臓麻痺などの深刻な状況に陥ってしまいます。

人の場合はヒキガエルを口に入れるということはないはずなのでいいんですが、犬がくわえて死んだというような話もあるそうです。


アカハライモリ

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By Alpsdake - 投稿者自身による作品, CC 表示-継承 4.0, Link

背中は黒いんですが、赤い腹が特徴の川や水田によくいるイモリの仲間です。
小学校の時に、クラスでこいつを飼育したことのある人もいるんじゃないでしょうか。

こいつは皮膚にはテトロドトキシンというフグが持つ猛毒の神経毒を持っています。
触ってどうにかなることはないんですが、アカハライモリを食べると危険です。

また、触った手で目や口、鼻を触ると良くないので、触ったらよく手を洗ってください。
というか触らないほうがいいです。


ヘビ
水辺の草むらにはよくヘビが出没します。
アオダイショウなどの毒を持たないヘビも噛みつかれれば痛いんですが、特に気を付けないといけないのが毒を持つヤマカガシマムシです。

これがヤマカガシ。

ヤマカガシ
By Yasunori Koide - 投稿者自身による作品, CC 表示-継承 3.0, Link

昼に活動するので、人と接触することが多いんですが、性格はおとなしいため被害はそれほどありません。
ですが、上あごには毒腺と毒牙があるので見つけても近づかないようにしてください。

毒は2種類持っており、1つがヒキガエルが持っていたブフォトキシンで、ヤマカガシはその毒を取り込むために好んでヒキガエルを食べているそうです。
もう1つはデュベルノワ腺毒と呼ばれる毒で、こちらは溶血毒といって毒性は強い血液凝固作用で、血管内で血栓を作り上げていってしまいます。

注入された毒の量が多いと肺出血・脳出血・急性腎不全などの深刻な症状を引き起こしてしまって死に至ることもあるので、こいつマジでヤバいです(; ・`д・´)

そしてこちらはマムシ。

Gloydius blomhoffii1.jpg
By KENPEI - 投稿者自身による作品, CC 表示 3.0, Link

日本で一番危険な毒ヘビがこいつです。
毎年多くの人が噛まれて被害にあっています。

ヤマカガシの方が毒の強さは上なんですが、マムシの毒は種類が多く、体に起こる作用も多種多様なのがまた厄介です。
興味がある方はマムシの毒について検索してみてください。






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■まとめ

アマガエルの毒は、それほど強くなく、触って遊ぶくらいなら大丈夫です。
ですが、触った手で目や口、鼻などの粘膜を触ってしまったり、傷口があると炎症を起こしてしまいます。

特に小さい子どもさんと一緒にアマガエルを探す時は気を付けてあげてほしいです。
あと、川辺や田んぼでアマガエル探しをする場合は、危険な生物もいるという事を頭に入れて気を付けて探してください。


最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


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