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暑い時期、風を入れようと窓を開けると待ってましたと言わんばかりに、家の中へ侵入してくる嫌な虫がいます。
その見た目の醜悪さと、羽音の大きさ、何故か人の周りを嫌がらせのように飛ぶ姿から「五月蝿い」の語源ともなっている害虫『ハエ』です。

ハエと言えば汚いものが大好きな虫というイメージがあるので、家に入り込まれると物凄く嫌な気持ちになりますよね( ・᷄ὢ・᷅)[](・᷄ὢ・᷅ )
しかも、こいつは体にいろいろな病原菌を持っているし、食べ物があればたかってその菌を落としていき、生ゴミには卵を産み付けて行ったりと、家に侵入されてそのままにしておくとかなり厄介なことしかしない嫌な害虫なんです(´Д`)ハァ…

そこで今回は、このハエについてと、家に侵入してくる理由と対処法についてお話していこうと思います。



■ハエとは?

ハエは、ハエ目に属する昆虫のうち、ハエ亜目に属する昆虫の総称です。
日本国内にいるだけでも3000種近くいると言われており、衛生害虫農業害虫不快害虫3つ星害虫の称号を持つ害虫界のエリート中のエリートでもあります。

その中でも私たちの家の中に侵入してきやすいのは、イエバエクロバエニクバエの3種が有名です。

ハエの種類と食性
・イエバエ

Musca domestica housefly.jpg
By Muhammad Mahdi Karim - 投稿者自身による作品, GFDL 1.2, Link


大きさは6~8mm。
名前の通り人の住む家に多く発生し、自然環境ではほぼ存在しません。

なので、家の中に侵入するハエと言えばほぼイエバエが多いです。
生臭い臭いや腐った臭いに敏感で、食卓の食べ物の周りや生ゴミなどを狙ってやってくるので、うざいです( ゚д゚)、ペッ

特に食卓にやって来てご飯やおかずに止まったりするので、本当にやめてほしいです。


・クロバエ

Chrysomya megacephala male.jpg
By Muhammad Mahdi Karim - 投稿者自身による作品, GFDL 1.2, Link


大きさは7~11㎝とイエバエより一回り大きく色が黒っぽい感じ。
体の太さが大きいのが特徴で、体が太くて大きい分羽音もかなり大きく、妙に野太い音を出しながら飛んでいるハエが家に侵入してきた場合はクロバエで間違いないと言えます。

クロバエは人や動物のフンを好み、他には動物の死体などの腐肉にも発生しやすいです。


・ニクバエ

A Fly by Matthias Zimmermann.jpg
By Matthias Zimmermann (German Wikipedia) - 投稿者自身による作品 Source: German Wikipedia de:Bild:MZ-wikipedia fliege.jpg, CC 表示-継承 3.0, Link

大きさは8~14㎝で、クロバエと同じか少し大きいくらい。
クロバエと違ってこちらはスリムで長い感じです。

ニクバエは、腐肉を好むので、クロバエ同様に動物の死体やフンに発生しやすいです。



ハエの成長速度
ハエは、卵→幼虫(うじ虫)→さなぎ→成虫という成長段階を踏むカブト虫達と同じ完全変態の昆虫です。
ハエは成虫になって4~5日してから産卵を開始します。

1回に50~150個、一生に500個もの卵を産みます。
卵は乳白色・楕円形で、1日足らずで孵化します。

幼虫(うじ虫)は早くて1週間で成熟し、土の中に移動してさなぎになります。
さなぎの期間は4~5日なので、卵から成虫まで2週間程度という速さで成長していってしまうんです。

イエバエだと食卓の料理や腐りかけの生ゴミに卵を産み付けやすいです。
クロバエやニクバエは、動物のフンや腐肉に産み付けるんですが、成虫が体内で卵を孵化させてから直接幼虫を産み付ける卵胎生と呼ばれる産み付け方なので、腐肉にすぐうじ虫が湧くのはこのせいですね。


ハエが持つ病原菌と病気
ハエが持っている病原菌と寄生虫は

  • ポリオウイルス
  • 赤痢菌
  • サルモネラ菌
  • 赤痢アメーバ
  • 回虫卵
  • 鞭虫卵
  • 病原性大腸菌O157
  • 鳥インフルエンザウイルス

と、簡単に箇条書きで書いてみましたが、これだけの病原菌や寄生虫の卵を保有しています。
日本にはいませんが、アフリカのツェツェバエと呼ばれるハエはトリパノソーマ原虫という寄生虫を持っており、このハエに吸血されると眠り病という死に至る病気を起こさせるものもいます。

こうした病原菌や寄生虫の2通りの病原体媒介以外に、もう1つ蠅蛆症(ようそしょう)と呼ばれる厄介な病をハエは持っていたりします。
これは、ニクバエやクロバエといった肉食性の幼虫が人の体内や皮膚組織に寄生することで引き起こる寄生疾患です。

傷口や皮膚の潰瘍部に寄生する皮膚ハエ症、耳道に寄生する耳ハエ症、幼虫を食物と一緒に誤飲して幼虫が体内に入り込むことによって消化器に寄生する消化器ハエ病などがあります。
成虫が持つ病原菌や寄生虫も怖いんですが、幼虫であるうじ虫にも恐ろしいものがあるんです°Д°)ヒイィィィ!!


実は益虫という噂も
マゴットセラピー(ウジ虫療法)という治療方法を聞いたことはないでしょうか?
これは、ハエの幼虫であるウジ虫の食性(腐肉食)を利用して、壊死してしまった組織を食べさせ、健常な組織を残して傷の回復力を早める治療法です。

無菌状態で繁殖させた特別なウジ虫を使うので、病原菌や寄生虫の心配はなく、選択的に腐って死んだ組織のみを食べてくれるので、正確に壊死組織のみが患部から除去されます。
また、同時にウジ虫の分泌する抗菌物質などによって殺菌も行われるので、患部が悪化せず傷の治りが早いとされています。

日本ではまだそれほど受け入れられていませんが、欧米と東アジアでは、糖尿病の合併症の1つでもある糖尿病性壊疽の治療法としてマゴットセラピーが注目されています。



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■家に侵入する理由

家に侵入してくる理由は、餌の臭いに誘われて侵入してくるからです。
特に物が腐った臭いに敏感で、ハエにとっては侵入すると餌場繁殖場所の2つを手に入れることが出来るので、網戸などに張り付いて虎視眈々と家の中に入る事を狙っているのです。

■ハエの対処法

家に侵入させない対処法
  • 網戸を閉める
洗濯物を干すとき、ちょっと庭に出る時、少しの間だからと窓やドアを開けたままにしてしまっていませんか?
やつらはその隙をついてきます。

なので、開けて外に出たらすぐ網戸を閉めることを心がけましょう。
玄関ドアの場合は玄関網戸を設置しておくのも風通しとハエの侵入を防げていいかもしれません。
  • 1日の生ゴミは袋に入れてしっかり密閉する

ハエの餌となるのは台所に置いてある三角コーナーの中身です。
不燃ゴミの日までそのまま置いておくとだんだん腐って臭いが発生してしまいます。

これに誘われてハエはやってくるので、料理で出た生ゴミは、こまめに袋に密閉してギュッと結んで、臭いが漏れないようにしておくことが大事です。
我が家の嫁さんは100均のセリアで買ったレジ袋を固定して使うタイプの生ゴミ入れを利用しています。
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三角コーナーだとカビたり汚れたりするので嫌だからとこれを使っていますが、これがなかなか便利で、生ゴミを入れた後はレジ袋を固定している部分を外せば手を汚さずに袋を取り出せてしめることができるので重宝しています。

  • 掃除をしっかりする
生ゴミの臭いに寄ってきやすいんですが、床に落ちているお菓子などにもハエは寄っていきます。
なので、お部屋の掃除をこまめにして清潔にしておくことも大切です。

  • ラベンダーの芳香剤を使う
ハエはラベンダーの匂いが苦手です。
そこで、玄関や窓際周辺にラベンダーの芳香剤を置いておくと侵入を抑えることができるかもしれません。
  • 食虫植物を置く
食中植物を玄関や窓付近に置くのもいいかもしれません。
有名どころのハエトリグサよりもウツボカズラのほうがおススメです。
ハエトリグサはハエが葉に止まらないとダメですが、ウツボカズラはハエが好む臭いを出しておびき寄せるので、捕獲率は高いです。


侵入された時の対処法

  • ハエたたき
伝家の宝刀ハエたたきです。最近では電気の力と広範囲攻撃の電撃殺虫ラケットという進化系が販売されています。
ただ、クロバエやニクバエを叩くと、その衝撃でお腹からウジ虫がエイリアンの子どもの如く突き破って出てくることがあるのでお気を付けください。
何度か私はみたことがあるんですが、地獄絵図です(; ・`д・´)

虫が苦手な人は他の方法を試すのがいいかと思います。

  • 殺虫剤
シューっと一吹きでハエがもだえ苦しみながら落ちていきます。
ですが、死に間際高速で飛び回ってどこに落ちたか分からなくなるので、見失わないように落ちた位置を把握しておかないといけないです。

  • うちわで追い払う

うちわを使ってハエを外へと吹き飛ばします。
「うちわ」は、それを用いて害(ハエや蚊などの虫)を打ち払うことから「打つは」→「うちわ」となったというのが一説にあるので、昔から使われてきた有効な手段だったりします。

  • ハエ取りりぼんを設置する
これも昔から使われてきた方法。
ハエが好む誘引剤がしみ込んだ強力な粘着性を持つ細長い紙を天井からぶら下げる方法です。

よく祖母の家でぶら下げて使っていましたが、面白いようにハエがおびき寄せられて捕獲されていました。





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■まとめ

私たちの身近でよく見る虫でもあるハエなんですが、汚いというイメージだけじゃなく病原菌や寄生虫、幼虫は人にも寄生すると、嫌なこと尽くしな害虫だとわかっていただけたんじゃないかと思います。
なので、家に侵入してしまった場合は、確実に駆除または排除をしていかなければいけないです。

まずは、家に侵入しないように生ゴミなどの腐って臭いが出るものの適切な処理をし、家の中を掃除をして清潔にしておくことが大切です。
外に出るときは網戸の閉め忘れにご注意ください。

5月~10月にかけて物も腐りやすく、ハエの活動も活発となってくるので、この時期は気を付けていただけたらと思います。
もし侵入してきた場合は上で書いた対処法を参考にしてもらえれば嬉しいです。


最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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